お家時間が増え、手編みや家庭用編み機を購入して始められる方も増えたかと思います。
昔は、女性の流行品の様に沢山の家庭にあった家庭用編み機。今でも中古品が多くフリマサイトや、オークションサイトに出品されていますね!
家庭用編み機は、慣れれば手編みの棒編みより格段に早くニット製品を作れるので、色々なオリジナル商品を作るのも楽しいですよ!
また、手編みの力加減で出来るムラもありませんので、編目がきれいに仕上がります。
私は、プロのニッターとして、高級素材を手横編み機で編み、リンキングミシンで1点1点縫い製作して来ました。(気持ちは、あのイタリアの、ブルネロクチネリみたいなかんじかな~(笑))
その視点で家庭用の編み機について記載したいとおもいます。
中古の編み機を買ってみたけどよく解らない方や、これから始めてみようと思う初心者さんに少しでも参考になればと思います。
用具 名前と使い方等
本体とケース
本体は、家庭用編み機を構成する部分です。キャリッジ、メリヤス針、その他の付属品は含まれません。
ケースは、ふたの様な構造で本体にかぶせる金属製の本体を保護する部分です。はめ込み式
画像の実物サイズは、約110㎝×約19㎝です。大きさは、メーカーによって異なります。
メリヤス針
べらのある針。編み機本体に最初から入っています。部品箱に替えの針(予備針)も入っています。
家庭用編み機は、このメリヤス針の太さ(フックの大きさ)の違いで、編み上がりの目の大きさが、ざっくりと大きい編目になる編み機や、普通編目になる編み機等、種類があります。
ゲージ=G という数字があり 1インチ(2.54㎝)の幅の中に何本針があるかで決まります。
1インチ 2.54㎝の中に5本針があったら5G といった具合に
大きい編目=数字小さい …3G、5G等
普通~小さな編目=数字大きい 6.5G、7G、10G、12G…等
家庭用編み機は、3G~7Gが多いかと思います。
ローゲージ ・・・3G~10G ハイゲージ 12G~18G・・・
購入の際は、針の太さや本体の針と針の間隔(ピッチ)も確認する事をおすすめします!
キャリッジ
キャリッジは本体に付いていてハンドル、ダイヤルのある左右に動く部分です。
使用する前にセッティングが必要です。
まずは、部品箱に入っている本体を動かないようにする取付金具で机と本体を固定します。
注意 机(作業台)の厚みは、取付金具がしっかりと固定できる厚みになります。
しっかりと机と固定しましたら、キャリッジが動かないように固定してあるキャリッジ止め金を外して
ケース内側にある編地押えを取り出し、キャリッジに取り付けます。
段数計
次に段数計を取り付けます。
段数計は、編み進める時にとても助かる部品です。段数計が無かったら、編みながら段数を自身で数えなければなりませんので、間違えやすくなりますし、完成までの時間も余計にかかったりもします。あれ!今何回だったかな~と 編み始めから編地の段を数え直す事もしばしばおきます!
ですので段数計は、編み進める上で大切な部品です。
糸取装置(テンション)
後は、ケース内側にある糸取装置を取り出して、本体中央の穴に差し込みます。
メーカーによって糸取装置は、形状が違ったりします。
画像の糸取装置は、糸取バネを押し出して、テンションケースにはめ込むタイプです。
これで糸を準備しましたら、編み始められます!
糸をかける順番
編出し
編み始めに使用します。
連結板を外せば短い長さで使用できます。画像の編み出しは、110目→80目+30目
編みたい本数の針を出し、糸口に編み糸を入れ1回右から左にキャリッジを移動させます。
編み出しを編み機と水平にして、編まれた編み糸に編み出しのフックをかけます。カラーウェイトを掛けて完了。編んでいきます。
次に、部品箱の中のよく使用する道具です!
付属品(部品箱の中)
タッピ
タッピは、ゴム編みやガータ編み等に使用したり、目が落ち流れた時に編み上げたり、クシバに編み糸がかかってしまった時、外すために使ったりします。
えんぴつを持つように使用します。
糸始末の時にも使用できます。始末の糸を入れたい部分の目を4~5目くるくるとフックにかけながらすくってから、最後始末の糸をフックにかけ、ベラを閉じた状態で引き抜きます。
タッピは、部品箱に1本入っています。紛失や、フック・ベラが曲がったりして新しく購入するまで、部品箱のメリヤス針の予備針で代用できます。メリヤス針のバット部分があるのは仕方がないのですが、細くて持ちにくいので私は、持ち手部分に、タッピの持ち手の太さ位布や毛糸を巻き付けて使用したりします。
うつし(うつし針)
うつしはとてもよく使用します。
持ち方は、ご自身が使用しやすい持ち方で!
減らし目・増やし目・目落ち に使用したり、2本持ち2×2・2×3・3×3等の縄編みに使用したり、他柄を作ったり等に使用します。
カラーウェイト
カラーウェイトはオモリです。
私は、どんな編地でも、編む時は必ず使用します。編地が浮き上がると目落ちや引上げ編みの様な(タック)キズの原因になります。バランス良く編地部分に多めに使用します。
編み進み編地が下がってきたら、カラーウェイトを上(編み機に近い編地部分)付け直しながら編み進めます。
手ハケ
手ハケは メリヤス針の閉じているベラを起こす時に使います。
減らし目や縄編み等 うつしを使用する前にベラが閉じていたら目をすくえないので、手はけでベラ部分をはらって起こします。
編み機についたホコリを払うのにも使用します。
模様板(柄板)
模様板は、編み機から編地を外したり、柄編みに使用したり、針を整えたりする時に使用します。
模様(柄)編みをしない場合でも 平らな部分(0)のある板(0×1/1)はよく使用します。画像に写る2つの模様板の上の板
編み機本体から出ているメリヤス針のバット部分を希望の位置に模様板を使って移動させます。
抜き糸
編み出し~捨て編み(目が整うまでの捨てても良い部分の編地)と作品との間に1段抜き糸を入れます。
後から抜き糸の端を引っ張って、抜き糸を抜き取ります。
作品部分が捨て糸から簡単にはずれます。
抜き糸は、引っ張って切れず、滑りの良い糸でしたら他の糸でも代用できます。
かぎ針・とじ針
編み上がった作品の 仕上げの縫い合わせや、編み合わせ等に使用します。
付属のかぎ針は、手編みのかぎ針編みの針と一緒で、かぎ針編みもできます。
とじ針は、編み機のG(ゲージ)に合った針が付属されています。
手入れ油
手入れ用の油です。長く快適に使用するには、メンテナンスは大切です。
編み機を使用したら、まず乾いた布でふき取り、ふき取りにくい部分は、付属の手ハケでホコリを取り除いて下さい。
手入れ油は、布にしみこませて使用します。
後ろレール、前レール、編み針のバット部分を手入れ油をしみこませた布でふきます。
キャリッジの操作が重い時も、キャリッジ裏側を手入れ油をしみこませた油でふきます。
中古で購入する場合は、購入前に付属品の中に何が入っているか、足りない物はないか確認する事をおすすめします。
キャリッジ ダイヤル
家庭用編み機には、ゲージ(G)の種類があると、前文で述べましたが、それぞれの編み機のキャリッジにあるダイヤルで更に目の大きさを調節できます。
画像のダイヤルは、太糸編み機のダイヤルです。
編み機は3~4Gで、編み機の針と針の間が9mmで太い糸用です。9ピッチともいいます。約100㎝の中に110本針があります。
使用する糸も デザインによりますが、大体は、並太~超極太です。
ダイヤルは、
ダイヤル 0~4 並太
ダイヤル 4~8 極太
ダイヤル 8~10 超極太 の様に目(度目)の大きさがダイヤルを回す事によって簡単に変わります。
次の画像のダイヤルは、一般的なゲージの編み機(こちらの編み機を使用される方が多いかと思います)のダイヤルです。
編み機は、5~7Gで、4.5ピッチ 約90㎝の中に針が200本あります。
使用する糸も デザインによりますが、大体は、極細~中細です。
ダイヤル 0~3 細
ダイヤル 3~5 合細 4~6 中細
ダイヤル 6~10 太
編み糸に対してキャリッジが動かしやすく、作品のデザイン、編地の柔らかさ等で、お好みの位置にダイヤルを合わせて編んでいきます。
*メーカーによってダイヤル表示は、違いがあります。
このように家庭用の編み機は、メーカーによっての多少の違いがありますので、中古品を購入の場合は、購入する編み機の取り扱い説明書があるものが一番良いかと思います。
無い場合は、記載の内容を参考にしていただけたらと思います。
作品を希望の大きさに編み上げるためには、作品に使う編み糸で、本数と段数の割合を知る必要があります。セーター等を編む場合は、洗濯等で縮むので最初に編ゲージを編み洗った後、寸法を計って作品に取りかかる事をお勧めします。